黒い瞳―戸塚祥太×アイドル短歌―
そろそろしつこい気もするが浮かれているのです、、、
今回はひたすらに戸塚さんです、とつかたんか、ってなんか語呂がいい。
続きよりどうぞ。
※一部過去記事との重複含みます
或る夢で僕にだけ咲く白い花いつか知られる甘い残り香
☆
すばしこい猫を追いかけていました耳が僕に似るというので
来たれ夏こちらは網を用意して日々の火熱をまた一つ採る
最後の角を振り返る八月は地平に霞む
カンバスに色鉛筆を握りしめ次々染める秋は白いな
街路樹の紅葉散らす仮想敵そうだねそろそろとどめ刺せるよ
さなぎが冬に擬態する窓の下優れたスパイは影をも透かす
☆☆☆☆
夜空にはのぼれないんだハイウェイの一等星は僕にまぶしい
君が焼くフィルムのひとつひとつにはあの日の光もきっと忘れない
缶を開け映写機回す
放課後に屋上、校庭へと駆ける僕らコインの表裏だね
屋上に?珍しいね、僕だって夕焼けを見る心もあるよ
憧れは赤い入り江に漕ぎ出してふたり静かな星を見上げる
ひとり夜の平たい底にうずくまる君のリズムは流れる星の
シャーペンで君が星図を描き出す僕の欠片もふと拾うような
◆
君の春を見てきました判を押すスタンプラリー未だゴールせず
偶然も必然に成るチキンカツ何だいカラッと流していいぞ
タワーは高架に途切れるこれからは傘を並べなくてもいいんだ
橙のタンゴは晩夏に踊りなさい伸びた爪も熱の引かない
感情は硝子戸の
水をやり本を読んでは陽をあてて実は成らぬまま手袋を編む
膝を抱く青の世界に投げられた林檎皮むき今日はパイです
☆
埠頭から南へ撃つキラーチューン観覧車を正午で射止める
コバルトの風を片手で隠すきみ海の匂いのタイムトラベラー
告白は本の背を盾に拒んだ「チーズケーキの苺ください」
桟橋でリボンをほどくはらはらと僕の名前は知らなくていい
アルペジオ波に鳴らない凪の日は酒瓶傾け眠りに就きます
手を繋ぐ君への誓いは
★
在る魔法三十一を自乗した瞳の色が曇らぬように
―幕―