最大瞬間風速

好きなようにあれやこれ

さよならのしまい方

 タッキー&翼が解散した。

 


 そんな衝撃的なニュースが発表された当日、私は既に寝ていて、知ったのは翌日の朝だった。

 Twitterで第一報を知ったので、解散情報とともにひとしきりの文字化された感情もなだれ込んできて、収拾がつかないな、と思いながら仕事へ向かった。

 会社では当たり前のように皆が仕事をしていて、『そうだよな、タキツバに思い入れがある人と、さほどでも、の人がいて、どちらの人もいることによって社会はうまいこと回っていくんだよな』、なんてことを考えつつ仕事をした。
 そうしていないとどうにかなりそうだった。

 


 私がタッキー&翼を知ったのは2016年5月、有線放送で流れていた『山手線内回り〜愛の迷路〜*1がきっかけだ。既にこのとき、タキツバ史上最後のコンサートは終わっていた。
 FCについぞ入らなかった私が言うのはおこがましいけれど、ここから二年、いつかタッキー&翼のコンサートに行けたら、と願っていた。

 解散、とはすなわち、その憧れのような祈りのような感情とはさよならしなくてはならない、ということだ。

 さよなら、と言う機会(引退コンサートや最終公演)がなく、というツイートもたくさん見た。(滝沢さん個人については年内いっぱい活動はなさるようなのでわからないけれど。)

 未来日に感情の区切れ目を作っておけないことは、大体の場合において残酷だ。なにせそれは急逝に等しい。だからこの発表が辛い、悔しい、かなしい、というのは自然だし、自分にだってその感情はある。
 だけど今井さんの病状と、コンサート、というイベントの労働条件の過酷さ(ポップアップ、リフター、フライングなどの三半規管にシビアな装置、照明✕衣装による過熱、等々)を思うと、解散記念コンサートを、と強くはいえないかも、と思う自分もいる。

 でもやっぱり、どういう形であれ、私が行けるのかどうかはさておき、タッキー&翼とわたしたち、が感情を共有する場、は設けてほしかった。例えそれが束の間の夢だとしても、同じ場で、同じ目的に向かって集う、というのがいわゆる"現場"の醍醐味であると思うので。

 されどそうならなかった現実の中で、私はこの感情に折り合いをつけていくのだろう。だって私は滝沢さんの自己プロデュース力の高さやカメラワークの精緻さを知っているし、翼さんの声の良さやダンスの妖艶さを知っている。いずれの二人の選んだ道も、サイアクなんかじゃない、って思ってもいるのだ。

 


 もうアイドルのタッキー&翼はいない。

 

 こんな9月が来るなんて思ってもいなかったけれど、私はこれからも誕生日を迎える度に、タキツバ最後のシングル発売日と自分の誕生日が同日だと知ったときの高揚感を思い出すだろう。

 

 ジャニーズに出会わせてくれた一曲のことは、死ぬまで忘れてなんかやらない。

 

*1:2015/9/23発売